高度経済成長期に整備された管路や処理場、ポンプ場などの施設が更新期を迎えています。老朽化による管路破損や設備故障は、下水処理機能の停止や供用制限といった重大なサービス停止リスクを招きます。特に管路の腐食に起因する道路陥没事故は住民生活に直結するため、安全性の確実な確保が喫緊の課題です。
5 Main Problems 下水道インフラが直面する5つの課題
PROBLEM 01
下水道施設の老朽化に伴う機能・
安全性の確保

PROBLEM 02
人口減少に伴う財政制約と
下水道事業の持続可能性の確保

人口減少に伴い、下水道使用料収入の長期的な減少が見込まれます。その一方で老朽化にともなう更新需要は増大しており、自治体では過大な施設ストックが経営を圧迫し、必要な更新投資や事故防止対策が先送りされるおそれがあります。未来に向けて持続可能な下水道事業を継続できる仕組みを整える必要があります。
PROBLEM 03
下水道事業を支える
技術人材・運営体制の確保

下水道事業を支える自治体の技術職員が全国的に減少・高齢化しており、日常的な点検や劣化診断、中長期的な計画策定に関わる専門人材の不足が深刻化しています。突発的なトラブルや災害時の対応力の低下は下水処理サービスの長期停止につながる可能性があります。人材確保と育成は喫緊の課題です。
PROBLEM 04
気候変動や地震リスクを踏まえた
防災・減災機能の強化

近年、気候変動による短時間豪雨の激甚化と大規模地震のリスクに対し、下水道には高い防災・減災機能が求められています。豪雨時の雨水処理能力超過による内水氾濫や、地震時の管路の断裂、処理場機能の停止によって下水処理サービスが長期にわたり停止する可能性があります。
PROBLEM 05
脱炭素社会の実現に向けた資源・
エネルギーの有効活用

下水道は多くの電力を消費するエネルギー集約型インフラである一方、下水汚泥には未利用エネルギーや有用資源が含まれています。2050年カーボンニュートラルに向け、省エネ化の徹底に加え、消化ガス発電による創エネルギー、汚泥の燃料化・肥料化、リン回収などの資源化が重要です。
Service 私たちの対応範囲
| フェーズ | 主な業務 |
|---|---|
| 調査・診断 | 管渠・処理場・ポンプ場の劣化診断、不明水調査、耐震診断、施設健全度評価 |
| 計画策定 | 下水道ビジョン、経営戦略、アセットマネジメント・ストックマネジメント計画、耐震化計画、BCP計画、浸水対策計画 |
| 設計 | 管渠・処理場・ポンプ場施設の改築・更新設計、新設・増設設計、高度化(省エネ化、耐震化、高効率化など)設計 |
| 工事監理 | 施工中の品質管理・出来形管理、安全管理、現場技術指導、竣工検査 |
| 台帳整備・DX | 各種管理システム(下水道台帳システム、設備台帳システム、資産管理台帳システム、維持管理情報管理システム、ストックマネジメントシステムなど)の構築・データ整備 |
Examples OECにできること(実務対応事例)

持続可能な経営と
アセットマネジメント
NUMBER 01
老朽化の進行や人口減少により、下水道事業を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しています。OECでは、事業体ごとの課題や将来見通しを踏まえ、下水道ビジョンや経営戦略の策定、アセットマネジメント・ストックマネジメント計画の立案に加え、官民連携手法の活用も視野に入れた経営改善を支援しています。限られた財源と人材のなかでも、「どこから、いつ、どのように更新・維持管理していくか」を見える化し、合理的かつ持続可能な事業運営の実現を後押しします。
| よくある課題 | OECにできること |
|---|---|
| 下水道事業の将来収支が見えず、経営が不安である | 下水道ビジョン・経営戦略の策定 |
| 施設の老朽化は感じるが、膨大過ぎて何から始めればいいかわからない | アセット/ストックマネジメント計画の策定、施設管理システムの構築 |
| 民間活用の可能性を検討したいが、導入効果やリスクが分からない | PPP/PFI導入の可能性調査・VFM算定・リスクシェア設計 |
POINT 01 下水道ビジョン・経営戦略の策定
社会情勢の変化に対応し、経営理念から施策の優先順位までを明確化します。人口減少に伴う有収水量予測に基づき、汚水処理原価の低減や経費回収率の向上に向けた具体的なロードマップを提示します。
POINT 02 アセット/ストックマネジメント計画の策定
管路、処理場、ポンプ場など、施設資産の劣化状況や更新時期を把握したうえで、ライフサイクルコストの観点から更新・改築・長寿命化の優先度を見定めます。事業体の将来財政負担を見据えた更新投資の平準化を図り、計画的な施設管理を可能とします。
POINT 03 官民連携(PPP/PFI)の導入支援
地域や施設の特性を踏まえ、PPP/PFIの適用可能性を整理し、導入効果やリスクを分かりやすく評価します。制度設計段階から事業スキームの検討、導入判断に必要な基礎資料の作成まで幅広く支援し、無理のない官民連携の実現に寄与します。

事故・サービス停止を防ぐ
調査・診断と長寿命化
NUMBER 02
管路、処理場、ポンプ場といった下水道施設の老朽化が同時に進行するなか、事故や突発的な機能停止のリスクが顕在化しています。OECでは、施設全体を対象とした調査・診断で現状を正確に把握し、長寿命化や更新を含めた最適な対策を提案。事故を未然に防ぎ、下水処理サービスを安定的に継続するための技術支援を行います。
| よくある課題 | OECにできること |
|---|---|
| 施設がどれだけ腐食・老朽化しているか、全体像が把握できていない | 管路・処理場・ポンプ場の劣化調査、診断・健全度評価 |
| 不明水が多く処理コストが上がっているが、どこから入っているかわからない | 不明水調査、流入負荷分析、不明水対策計画の立案 |
| 更新費用が膨大で、どこから優先すればいいか判断できない | 劣化評価に基づく優先順位付け、費用対効果の高い改築計画の策定 |
POINT 01 管渠・処理場・ポンプ場の劣化診断・健全度評価
現地調査で得られる各種データを分析し、施設の劣化状況や健全度を客観的に評価します。施設の構造や重要度、劣化原因などを踏まえ、優先的に対応すべき箇所を明確にします。
POINT 02 不明水調査と流入負荷分析
雨天時増水や処理能力逼迫の要因となる不明水を把握し、管路・施設への影響を整理します。原因の特定から費用効果分析(B/C)に基づく対策立案まで一貫して行い、処理費用の削減と施設の過負荷防止につなげます。
POINT 03 改築・更新および長寿命化の検討・設計
全改築・部分改築・長寿命化などの複数案を比較検討し、最適な対策を提示します。耐震化や高度化の必要性も考慮しながら、周辺施設との一体改築など、将来負担を見据えた合理的な設計を行います。

地震・豪雨に備える
防災・減災インフラ対策
NUMBER 03
大規模地震や気候変動による豪雨の激甚化の発生リスクにより、下水道には高い防災・減災機能が求められています。OECでは、「防災・減災」の両視点を見据えた計画・設計を通じて、下水処理機能の継続性向上を支援します。上下水道を一体的に捉え、住民生活を支えるライフラインとしての信頼性確保に貢献します。
| よくある課題 | OECにできること |
|---|---|
| 耐震化の重要性は感じるが、膨大過ぎて耐震化が必要な施設やその優先度がわからない | 段階的耐震化計画の策定、耐震化対策施設の耐震診断 |
| 近年の気候変動により激甚化する豪雨へ対応がわからない | 浸水シミュレーションを活用した雨水管理総合計画の策定、ハード対策の設計、ソフト対策支援 |
| 被災時の復旧手順、方法がわからない | BCP(業務継続計画)の策定、災害支援 |
POINT 01 耐震診断・耐震化計画の策定
「防災(耐震化)」と「減災(応急復旧・マンホールトイレ)」を統合した総合的な耐震化計画を策定します。重要道路下の管路や避難所周辺の施設など、優先度を考慮した段階的な計画を立案し、被災時の機能維持を図ります。
POINT 02 雨水管理総合計画・雨水対策検討
地域特性に応じた高精度な浸水シミュレーションにより、内水氾濫のリスクを可視化・整理します。ハード対策(雨水貯留施設等)の設計に加え、ソフト対策(内水ハザードマップの作成・公表)を組み合わせ、住民の避難行動を支援します。
POINT 03 BCP(業務継続計画)の策定支援
災害時の対応体制や復旧手順を整理し、下水道機能の早期復旧に資するBCPの策定を支援します。訓練や定期的な見直しを見据えた、実践的な内容に仕上げます。

脱炭素・循環型社会を支える
エネルギー・資源活用
NUMBER 04
カーボンニュートラルの実現に向け、処理プロセスの省エネ化(インバータ制御等)や創エネ(バイオガス発電・太陽光等)を推進し、下水道事業を「エネルギー産出拠点」へとアップデートします。あわせて、貴重な資源である「リン」の回収や、下水汚泥と生ごみの集約処理(下水道広域化推進総合事業)など、循環型社会の構築を技術面からリードします。
| よくある課題 | OECにできること |
|---|---|
| 電力費が高騰しており、処理場の省エネ化を進めたい | 省エネ診断・インバータ制御・高効率機器の導入設計 |
| カーボンニュートラルに向けた取り組みが求められているが、具体策がわからない | エネルギー管理計画の策定とバイオガス・太陽光発電の導入検討 |
| 下水汚泥の処理コストが高く、有効活用の方法を探している | バイオガス発電・リン回収など資源エネルギー循環計画の立案 |
| 放流水質の向上が求められているが、処理プロセスの改善方法がわからない | 活性汚泥モデル(ASM)を活用した運転最適化と高度処理施設の設計 |
POINT 01 省エネ・高度処理の最適化
流入水質、処理方式、設備更新時期を踏まえ、省エネと高度処理を両立する最適化方策を検討します。運転条件の見直しや段階的な高度化により、LCCと処理性能の最適バランスを実現。既存ストックを活かした、無理のない改善シナリオを具体的に提示します。
POINT 02 バイオマス・バイオガス利活用
混合処理や広域・共同処理を含め、下水汚泥を核としたバイオマス・バイオガス利活用の最適解を提案します。既存消化設備や処理フローを踏まえ、施設増設を抑えつつエネルギー回収効率と維持管理性を両立。CO₂削減、維持管理費の低減、財政健全化を同時に見据えた、実装性の高い利活用計画を立案します。
POINT 03 リン回収・再資源化
下水や下水汚泥に含まれるリンを「未利用資源」と捉え、処理方式や汚泥性状に応じた回収・再資源化手法を選定します。既存の水処理・汚泥処理プロセスとの整合を重視し、処理性能への影響や運転負荷を抑制。回収量の見通しから利用先まで見据えた、現実的で導入しやすいリン資源化計画を提案します。
POINT 04 環境保全・地球温暖化防止計画
下水道事業全体を対象に、温室効果ガスの排出量を定量的に把握・評価し、実効性の高い温暖化防止計画を策定します。バイオマス利活用、省エネ・高度処理といった個別施策を統合し、将来の更新計画や国の施策と整合した削減シナリオの構築も可能です。技術面・財政面・説明責任のすべてに配慮しながら、計画策定から事業化・設計まで一体的に支援します。

DX・データ活用による
次世代の下水道管理
NUMBER 05
人口減少や職員の高齢化が進むなか、下水道事業には限られた人材で安全・確実な管理を継続する仕組みが求められています。OECは、長年の下水道計画・設計・維持管理支援で培った知見をもとに、台帳整備から資産管理、維持管理までをデータでつなぐDXを提案。アナログ情報や分散したデータを整理・統合し、担当者が変わっても使い続けられる「見える化」を実現します。将来の更新需要や財政負担を見据えながら、段階的かつ現場に定着するDX導入を支援し、持続可能な下水道運営に向けたデータ活用基盤を構築します。
| よくある課題 | OECにできること |
|---|---|
| 各管理施設情報が紙情報であり、検索の手間がかかる・ 国からの調査アンケートなどの対応に限界を感じている |
下水道台帳システム・設備台帳システムなど各種管理システムの整備 |
| 設計情報・工事履歴・点検結果がバラバラに管理されており、施設全体の状況把握ができない | 各種管理システムと維持管理データの一元化 |
| 管理システムは導入したが、利用方法がわからず活用できていない | 導入後の保守契約による伴走型支援体制の構築 |
POINT 01 下水道台帳・設備台帳の整備
設計情報、工事履歴、設備仕様、点検・修繕履歴などを体系的に整理し、GISや図面と連動した台帳データベースとして構築します。日常管理はもちろん、災害時対応や監査・説明資料の作成、後継者への確実な技術継承まで幅広く活用できる基盤を整えます。
POINT 02 資産管理・維持管理データの一元化
工事情報・資産情報・維持管理履歴を一元管理し、地方公営企業会計やアセットマネジメントにも対応します。耐用年数、点検結果、修繕履歴を踏まえた改築診断や整備計画の立案をデータに基づいて支援。「どこから、いつ、優先的に更新すべきか」を客観的に示すことで、説明責任の向上と合意形成を後押しします。
POINT 03 段階的なDX導入支援
各自治体の体制や業務成熟度を踏まえ、台帳整備→データ連携→分析・活用という段階的な導入を重視しています。まずは既存業務を整理し、無理なくデジタル化できる範囲から着実に構築。資産管理、維持管理、計画策定へと活用範囲を広げながら、現場に根付いたDXを実現します。長年の実務支援実績を活かし、導入後も「使い続けられる仕組み」を伴走型で支援します。
Reasons OECが選ばれる理由
下水道は、上水道とは技術体系が大きく異なる専門領域です。OECには下水道専門の技術士が在籍し、管路・処理場・ポンプ場のすべてにわたって全国の自治体での実績を持ちます。国家資格を持つ技術者が直接プロジェクトをリードします。
一気通貫
ストックマネジメント計画・アセットマネジメント・耐震化・省エネ設計・工事監理まで、下水道事業に関わるあらゆるフェーズを一社で対応。複数コンサルに分散していた業務をまとめることも可能です。
「地域密着・現場主義」
全国各地に拠点を構え、その土地特有の地質・水質・気候・文化を熟知した担当者が対応します。災害や事故の際も、地域の「顔が見えるパートナー」として迅速に駆けつけます。
国が推進する下水道広域化やPPP/PFIへの対応実績を持つチームが、制度設計から導入支援まで伴走します。VFM算定・リスク分担設計・入札支援まで一貫して対応します。
60年以上の歴史で蓄積した膨大なデータと、東証スタンダード上場企業としての透明性。その土台にデジタル技術を融合し、時代の半歩先を行くソリューションを提供しています。
社員の3割以上が国家資格「技術士」を保有。有資格者が直接プロジェクトを担当するため、営業窓口と実務担当が分かれる企業にありがちな「伝言ゲーム」が起きません。技術的根拠に基づいたコンサルティングを、一貫して提供可能です。
日本下水道事業団からの優良設計表彰をはじめ、業界内外から技術評価を受けています。長年の実績に裏付けられた品質を、第三者の評価という形でご確認いただけます。