——「整備された情報」が現場に届かない
近年、気候変動に伴う台風・線状降水帯・豪雨などの気象災害が激甚化・頻発化しています。南海トラフ地震や首都直下型地震の発生リスクも依然として高く、自治体の防災対応は喫緊の課題です。
洪水ハザードマップはほぼすべての市区町村で作成が完了している一方、内水ハザードマップの公表率は約11%(2023年3月末時点)にとどまっており、多くの自治体で対応が追いついていないのが現状です。さらに、住民へのアンケートでは「ハザードマップを見たことがない」と回答した人が約3割にのぼります。「自宅にとどまってよいか分からない」「どのような危険があるのか知らない」といった声が上位を占め、平面の地図では直感的な理解が難しく、いざ災害が起きたときに活かされていないケースが数多くあります。
都市計画の分野でも、DX化によって整備された情報が日々の業務や市民への情報公開に十分活用されていない実態があります。行政組織の縦割りにより一部だけのデジタル化しか達成できていない場合が多く、用途地域や建築基準法に関する情報、開発許可に関するルールなど、都市計画課が管理する膨大なデータが担当職員の知識の中にとどまり、住民や事業者が活用しやすい形で提供されていないケースが少なくありません。


