衝撃弾性波法

衝撃弾性波法

衝撃弾性波法(iTECS法)

衝撃弾性波法とは、コンクリート表面を鋼球で叩いて衝撃を与えると、
コンクリート中の弾性波は、物性の異なる境界面で反射して戻ってくる。
戻ってきた弾性波は、表面で再び反射する為、多重反射による周期的な定在波となる。
この周期は、波動が測定面と背面あるいは内部欠陥を1往復する時間に等しい。
つまり周期を分析すれば、コンクリートの厚さ、あるいは内部欠陥の有無、
欠陥の深さが検知されることになる。
 多重反射P波による共振周波数成分を利用し、既知の弾性波速度から板厚を算出する。

弾性波速度と圧縮強度との関係図

また、弾性波は、物性の違う2層が存在するとき、境界面で必ず反射する。反射する割合は、弾性波が伝わる能力を表す音響インピーダンスZ(N・S/m3)に依存し、反射率は次式のようになる。

弾性波速度と圧縮強度との関係図

コンクリート、水、空気のZの値を求めると、

  1. 1コンクリート:Zc=2300kg/m3×4000m/s=9.2×106 N・s/m3
  2. 2水:Zw=1000kg/m3×1500m/s=1.5×106 N・s/m3
  3. 3空気:Za=1.2kg/m3×331m/s = 4.0×102 N・s/m3

従って、コンクリートと水またはコンクリートと空気の反射率は以下のようになる。

・コンクリートと水の反射率R1は、

R1の式

 よって、R1は約72%反射する。

・コンクリートと空気の反射率R2は、

R2の式

 よって、R2は約100%で反射する。
 従って、コンクリートと空気の反射率は、ほぼ100%で全反射すると仮定できる。

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