オリジナル設計株式会社

iTECS



 コンクリート構造物の劣化状況を非破壊検査法のひとつであるiTECS 技術を使って、コンクリートを破壊することなく調査・診断します。



iTECS技術とは


 

 

iTECS技術の特徴

  ■ 測定は叩くだけ
      センサーを測定面に軽く押し付けて打撃するだけの操作で、
     コンクリートを破壊せずに、またコンクリート表面に対して
     特別な処理を必要とせずに測定が可能

  ■ 多機能
      コンクリートのひび割れ深さ、コンクリートの厚さや内部
     状況、推定強度が測定可能



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コンクリート健全度調査−iTECS技術




 

 

iTECS技術の内容

  ☆ コンクリートの圧縮強度推定
     圧縮強度は、弾性波速度と圧縮強度の関係式(強度推定式)から推定する。

  ☆ コンクリート厚さ測定と内部欠陥状況の探査
     コンクリート内部の多重反射を捉えて、時間窓MEM法によるコンクリート厚さを測定すると
    ともに、内部欠陥状況を探査する。

  ☆ コンクリートのひび割れ深さの測定
     ひび割れを挟んだ2点での縦弾性波の伝播時間差を2点の距離を複数点設定して測定し、2点の
    距離と伝播時間差関係からひび割れ深さを算出する。


 

 iTECS法(衝撃弾性波法)
 iTECS法は、衝撃弾性波法を使ってコンクリート構造物を検査する非破壊試験法のひとつです。
 衝撃弾性波法とは、コンクリート表面を鋼球で叩いて衝撃を与えると、コンクリート中の弾性波は、物性の異なる境界面で反射して戻ってくる。戻ってきた弾性波は、表面で再び反射する為、多重反射による周期的な定在波となる。 この周期は、波動が測定面と背面あるいは内部欠陥を1往復する時間に等しい。つまり周期を分析すれば、コンクリートの厚さ、あるいは内部欠陥の有無、欠陥の深さが検知されることになる。
 多重反射P波による共振周波数成分を利用し、既知の弾性波速度から板厚を算出する。

 また、弾性波は、物性の違う2層が存在するとき、境界面で必ず反射する。反射する割合は、弾性波が伝わる能力を表す音響インピーダンスZ(N・S/m3)に依存し、反射率は次式のようになる。

 コンクリート、水、空気のZの値を求めると、
 @コンクリート:Zc=2300kg/m3×4000m/s=9.2×106 N・s/m3
 A水:Zw=1000kg/m3×1500m/s=1.5×106 N・s/m3
 B空気:Za=1.2kg/m3×331m/s = 4.0×102 N・s/m3
 
従って、コンクリートと水またはコンクリートと空気の反射率は以下のようになる。
 
・コンクリートと水の反射率R1は、

 よって、R1は約72%反射する。

・コンクリートと空気の反射率R2は、

 よって、R2は約100%で反射する。
 従って、コンクリートと空気の反射率は、ほぼ100%で全反射すると仮定できる。

 弾性波とは?
 コンクリ−トの一点に衝撃を加えると、圧縮波(P波)、せん断波(S波)、表面波(R波)が発生し、コンクリートの内部に球面波となり、各波面は固有の伝搬速度で伝わっていく。 P波は粗密波つまり体積変化する波で、形状変化する波よりも速い。各波の伝搬速度を、P波:Cp,S波:Cs,R波:Crとし、P波、S波、R波の速度の関係は、縦弾性係数E、密度ρ、ポアソン比νとすると、 それぞれの次式のように表される。

【波の種類を選択し,その後右の矢印ボタンを押してください!】


 

 コンクリートの圧縮強度を推定する
 コンクリートの圧縮強度の推定強度は、国土交通省で採用されている方法で測定し、(独)土木研究所強度推定式を使って強度を推定します。
 右図は、様々な条件のコンクリート供試体を制作し、弾性波速度を測定した値と圧縮試験の結果で得られた圧縮強度との相関関係図です。
 従って、弾性波速度が分かれば相関関係から、その圧縮強度を推定する事が出来ます。


 

 ひび割れ深さを測定する
 コンクリートのひび割れ近傍で打撃すると、弾性波は球状に伝搬しひび割れ先端で回折する。この縦弾性波を測定して、ひび割れ深さを測定する。

 受信センサーの測定波形の第1波は、縦弾性波がひび割れ先端を回折する角度によって変化し、回折角度が90°以下の第1波は、下向きの波形状、回折角度が90°以上の第1波は上向きの波形状となる。
 測定は、ひび割れを挟んで打撃点と受信センサーを設置し、両者の距離を変化させながら測定し、波形の第1波を観測して回析角度が90°となる設置点を把握する。この時、ひび割れ先端、打撃点および受信センサーの設置点は同一円弧上の点となることを利用してひび割れ深さを算出する。


 

 この時、ひび割れ先端、打撃点および受信センサーの設置点は同一円弧上の点となることを利用してひび割れ深さを算出する。

 また、斜めひび割れの場合のひび割れ深さの算出方法は、右図のように2つの円の交点が先端になるように描く。
 インパクターa点での上向き圧縮波の観測点がA、インパクターb点での上向き圧縮波の観測点がB。DAとDBを直径とする円曲線の交点とコンクリート表面のひび割れを結ぶと、ひび割れ線と深さの位置を示している。


 

 

iTECS技術の流れ


 

 

iTECS技術とその他調査の比較

種類 非破壊試験 破壊試験
iTECS法 超音波 打音法 コア抜き はつり
主な目的 構造物の内部欠陥の探査及び、コンクリート表面の劣化状況調査 構造物の内部欠陥探査 コンクリートの剥離・亀裂調査 コンクリートの圧縮強度 コンクリートの中性化と鉄筋状況調査
原理 弾性波動
振動応答
弾性波動 振動応答
適用限界 厚さ・深さ(m)
0.1 ~ 2.5
深さ(m)
0.2
厚さ(m)
0.1

 

 

研究レポート

テーマ

執筆者・発表者

投稿先・発表先

団体名

複数センサーでのパワー比同時測定によるコンクリート構造物の内部空隙探査

島田浩司、石垣享一 他

平成28年度 秋季講演大会(仙台)

日本非破壊検査協会

複数センサー固定・ハンマー移動による剥離探査の実験

島田浩司、石垣享一 他

平成27年度 秋季講演大会(札幌)

日本非破壊検査協会

多点同時測定によるコンクリート構造物の剥離探査

島田浩司、石垣享一 他

平成27年度土木学会全国大会 第70回年次学術講演会

土木学会

ひび割れ深さによる弾性波速度の変化

石垣享一 他

講演概要集
平成26年度秋季講演大会

日本非破壊検査協会


 

 

主な実績

茨城県 2016年 下水道処理施設耐震診断業務
三重県 2015年 下水道施設耐震・耐津波診断業務
群馬県 2014年 砂防堰堤非破壊調査業務
茨城県 2013年 覆蓋水処理施設耐震診断業務
神奈川県 2012年 配水池耐震診断業務
新潟県 2012年 下水道施設耐震診断業務
神奈川県 2012年 ポンプ場耐震診断業務
埼玉県 2011年 ポンプ場実施設計現地調査業務
新潟県 2011年 合流式下水道緊急改善雨水帯水地基本設計業務
栃木県 2010年 調整池コンクリート調査診断業務
静岡県 2010年 橋梁下部工コンクリートひび割れ調査